実践事例
株式会社K-STYLE様Case Studies

Thomasサーベイは、スタッフから経営者への成績表です

経営者が持たなければならないのは、従業員からの評価をしっかり受け止めるという覚悟と
そこから改革の行動を起こしていくという覚悟です

株式会社K-STYLE様は、「日本一愛し愛される理容室」をコンセプトとして、東京都心を中心に「K-STYLE HAIR STUDIO」を展開しています。今回はスタッフのエンゲージメント向上に向けてThomasをご活用いただいている、代表取締役の加藤さんと、K-STYLE HAIR STUDIO 神保町店店長の君島さん、そして虎ノ門店スタッフの高橋さんにお話を伺いました。(所属等はインタビュー当時。文中敬称略)

スタッフとの間にできた垣根を取り払い、定着率の向上を図りたかった。
そんなとき、スタッフの声を拾い上げるきっかけに

そもそも、Thomasを利用してサーベイ・フィードバックに取り組もうと考えたのにはどのような背景があったのでしょうか?

加藤:当社の課題として、スタッフの定着率が低いということがありました。

その原因として、これまで私自身は、普段からなるべくスタッフとコミュニケーションを取るようにしてきたのですが、少しずつ会社が成長する中で、スタッフと店長との間、あとは何より代表取締役である私との間に、垣根ができてしまっているのではないか、ということを感じていました。

そこで、まずはThomasサーベイがスタッフの声を拾い上げるきっかけになればいいな、という思いがありました。それこそ、経営者や管理職層に対する採点表というイメージで、改善すべき点をスタッフからどんどんあげてもらえたらなと。

もちろんいきなりすべてのスタッフの声に応えるのは難しいですが、ちょっとずつでも変えられることを変えていって、K-STYLEという会社が良くなっていけばいいなと考えていたんです。

Thomasサーベイがスタッフの声を拾い上げるきっかけになればいいな、という思いがありました(加藤さん)

加藤さんのお人柄からすると、スタッフとの垣根ができてしまうようなイメージがあまりありませんが・・・。

加藤:自分でもプライベートでは、そういうキャラだと思うんですけどね(笑)。ただ仕事になると、職人気質になってしまうところがありまして・・・。

スキルだったり、マインドだったり、スタッフに求める水準もはっきり言って高いと思います。正直、プロフェッショナルとしてのスキルやマインドが足りないスタッフに対しては、かなり厳しい注意の仕方をしてしまうことも多々ありました。とはいえそれがたとえスタッフに一流になってほしい、スタッフのためだ、と思ってやっていることであったとしても、スタッフを追い込んでしまっていたこともあったのだと思います。

こういう考え方になるのは、私自身の育ち方が根本にあるな、と思っています。私もアシスタントからスタートして、時に厳しい指導をされて、その中で理容師としてのスキルやマインドを磨いてきたことで今の自分がある。その時々ではつらいと感じたこともありますが、今では厳しい指導をしてくれた先輩達をみな恩人だと思っています。

とはいえ、スタッフの定着率が低いということは、私のこうした考え方に基づく施策や指導が受け入れられていなかったということなんですよね。

でも、理容師としてのスキルやマインドを高めてもらうことは、結果的にスタッフの人生を守ることになる、というのが私の信念なので、そこだけは譲れない。そこで実際、スタッフ達はこのような私の考え方や、施策・指導に対してどう思っているのだろう、ということについて、腹を割って話したかったんです。

そこでストレートに面談をするのではなく、Thomasサーベイというワンクッションを挟んだ効果はありましたか?

加藤:それは間違いなくありましたね。もし仮に、何の媒介も無しに1on1でスタッフと話したとしても、どうしても経営者とスタッフという関係性ですから、感情論になってしまうことは避けられなかったと思います。

Thomasサーベイのように見るべき項目が整理されていると、経営者もスタッフも対話をする時の視野が広がります。そしてこういったものは、自社でアンケートを作るよりも、こういったサーベイ・サービスを活用したほうが良いなと感じました。自分にはない、多面的かつ客観的な視点で分析ができますからね。

Thomasサーベイの結果を最初に見た時はどう感じられましたか?

加藤:正直、最初は結果を見てショックな部分もありましたが(笑)、客観的に分析してくれていますし、結果報告会でも丁寧に説明していただけましたので、受け入れることができました。

これが自社アンケートでスタッフからストレートに返ってきていたとしたら、同じ情報だったとしても、自分が受け取りきれなかったと思います。

それに、質問項目が網羅的で、スタッフ自身も言語化できていないような回答項目がたくさんあったと思うので、こうした声なき声を拾い上げることができたのが良かったなと思います。

Thomasを実施してから、どのような効果を感じていますか?

加藤:これまでに2回、Thomasサーベイと、サーベイ後のフィードバック・ワークショップを実施していますが、出てきたスコアを単に数字のままにしておくのではなくて、その数字の裏にはこういう問題が起きていて、だからこんなふうにやっていきたいであるとか、私達のことをこんなふうにみてほしいとか、そういう面と向かって言いにくいことを紙に書いてもらいました。

私としてはみんなの本音をきちんと受け止めて、もちろん全てではないにしても、改善できるところは改善するためのアクションを起こすことができていると思っています。

私としては、スタッフに一流になってほしいという思いがまずある。けれども、ワークショップの中でスタッフと話をしたときに、私が何とも思っていなかったようなところに不満を持っていたりとか、私が全く気にしてなかったところを過剰に気にしていたりということがわかったんです。「そもそも」の認識がずれていたんだな、と。

サーベイ結果を見ながらスタッフと話をしたことで「そもそも」の認識がずれていたことに気づかされました(加藤さん)

サーベイの後のワークショップで合意形成できたことで
 自然とスタッフの行動が変わってきました

サーベイの後には、具体的にはどのようなアクションを取られましたか?

加藤:前回のサーベイでは上下関係に起因する課題があがってきたので、営業中であろうがなかろうが、営業外の練習時間であろうが、上の人が下の人の仕事の悩みを聞いてあげたり、練習を見てあげたりするようにということを積極的にやる、ということをみんなで決めて、行動に移しました。

そこも、サーベイの後のワークショップでじっくり合意形成をしていたことで、自然と一人ひとりの行動が変わったと感じています。今では始業前の時間はもちろん、営業中であっても積極的に隙間時間を割いてくれたり、下の人達が練習している時間中には、上の立場の先輩スタッフが代わりにアシスタントをしてくれたり、ということが自然にできるようになっています。上の立場のスタッフが下の立場のスタッフの思いをくんで対応してくれたおかげですね。

店長さんの立場からは、どのように感じられましたか?

君島:私はThomasサーベイの後のワークショップに初めて参加したときは、正直「朝から眠いなー、一体何をやるんだろう!?」という気持ちだったのですが(笑)、いざやってみると、ワイワイできていったので俄然興味が湧いてきました。

ワークショップをやってみて気づいたのは、ああいう場を作ることで、普段質問しにくいようなことが聞きやすいということですね。私も普段から、先輩に「これってどういうことなんですか?」みたいなことが聞けなくて苦労してきたので。

でも、ワークショップを通して、自分よりも上の年代の人が考えていることを聞くことができた。そういう話を聞きながら、先輩の歩んできた道と自分の夢とを重ねたりして、あー、そうやって大人になっていくのだな、とか色々なことを考えるきっかけになりました。

不安な点などはありませんでしたか?

君島:私は店長という立場ですし、Thomasサーベイの中でも自分のお店についての話題がたくさんあったので、いざスタッフの話を聞く段階では正直不安になりました。ただ、普段なかなかスタッフの気持ちも聞けていなかったので、ワークショップを通して普段言いづらいことを言ってもらえたり、書いてもらえたりできて、勉強になりましたね。

普段言いづらいことを言ってもらえたり、書いてもらえたりできて、勉強になりました(君島さん)

現場スタッフの立場からは、どのように感じられましたか?

高橋:ワークショップの最後に「クレドカード」を作って、自分は明日からこうする!というのを宣言したのが印象に残っています。自分にも周囲にも見える形で宣言したことによって、日々の仕事でもふとした瞬間に思い出すようになりました。会社の皆さんがいる場でこうしていきたい、というのを書いたことで、やる気になりました。

あとはThomasサーベイのスコアをみて、ほんとにみんなが思っていることが数値に出てきたのも印象的でした。人によっては、「あれ、自分と正反対のことを感じていたんだ!」ということもあったりして。やっぱりみんな認識はそれぞれ違いがあるんだな、と実感しましたし、その中で意識を統一していくことの難しさはあるなとも思いました。

みんなが一緒の認識を持てていたらそれは確かに完璧な組織なのかもしれませんけど、実際にはみんなそれぞれ認識の仕方が違う。だからこそフォローしあっていくのがチームってことなんじゃないかなと。基本を押さえることは大前提として、その上でならメンバーそれぞれ個性があってもいいし、むしろそこが強みになることもあるんじゃないか。数値が出てきて、その数値についてみんなで話ができたことで、そう思えるようになりました。

みんなそれぞれ認識の違いがあるんだなと実感しました(高橋さん)

今後の展開はどのようにお考えですか?

加藤:私は「日本一愛し愛される理容室」を創っていきたいんです。具体的には、スタッフのエンゲージメントを高めつつ、お客様に対するサービスの質も量も向上させていく。そしてそれを続けていくことで実現できると考えています。そのためには定期的なサーベイ・フィードバックは絶対に必要なこと。

理容業界は、一般的に拘束時間も長いですし、給料を上げるのにも限界がある。そんな中で子供ができたときに時間がないとか、プライベートの時間も取りたい、でもサービス業だから我慢しなければならない、みんながそういうことを理解した上で働かざるを得ない部分があるけれど、それでもちょっとずつでも改善していきたい。

この業界は職人気質の人が多いと感じています。だからこそ、お互いがお互いを表面上だけでなく承認しあえる文化を創れたら、もっとスタッフも会社も楽しく働けて、成長できる。そうやってスタッフのみんなにK-STYLEで、加藤さんのところで働けて良かった、と思ってもらえたら最高ですね。

従業員の皆さまとしては、どう感じていらっしゃいますか?

君島:私は店長という立場でもありますし、Thomasサーベイに関しては、やっぱりまずは全部の項目を平均以上にしたいなと思います。そういうことの積み重ねで、この会社で一緒に働いてもらうスタッフのみんなには、誰もがここで働いてよかったと思える会社にしていきたいですね。

高橋:私はスタッフという立場ではありますが、個人的には、これから若い人がこの業界に入ってきたときに、そこがみんな楽しく仕事ができて居心地のよい空間であれば、この職業を専門職として好きになってくれると思うんです。だからみんながこの会社で働くことで、毎日の仕事を楽しい気持ちで終えることができる、そんな職場にしていきたいです。

最後になりますが、Thomasサーベイのようなサーベイ・フィードバックを活用した働き方改革について、加藤さんの想いなどがあればお聞かせいただけますか?

加藤:私にも従業員のためを思えばこその譲れない信念があるし、経営者たるもの、そういうものを変える必要はないと思います。けれども、従業員の幸せのために変えたほうがいいところというのも、実際たくさんあるんです。そういうポイントが客観的にわかるのがThomasサーベイの良いところです。

会社を良くして、従業員と一緒に幸せになりたいと思うのなら、やっぱり社長は覚悟を持たないといけないと思うんです。それは従業員からの評価をしっかり受け止めるという覚悟と、そこから改革の行動を起こしていくという二つの覚悟です。そういう覚悟が持てるなら、すぐにでもサーベイをやった方がいいです。社長に覚悟がないと、従業員だけでなく、やがてはお客様にも迷惑をかけることになりますからね。

会社を末永く良くしていきたいという思いがある経営者の方は、ぜひサーベイ・フィードバックに取り組んでいただいて、従業員と会社を、そして経営者としての自分自身を一緒に成長させていきましょう!

本日はありがとうございました!

企業情報

社名
株式会社K-STYLE
事業内容
理容業
所在地
東京都千代田区有楽町1-6-3日比谷頴川ビルB2
連絡先
03-3502-5115
代表者
代表取締役 加藤進介
公式サイト
https://www.k-style-hair-studio.jp/

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