チームをメンテナンスするってどういうこと?基本概念を知ろう

中島久樹モニカ株式会社代表取締役 CLO

Monicaはチームの成長をキーワードにしたサービスです。共通の目的に向かって学習し、メンバー皆が力を発揮して、より効率的にゴールを達成するためのチームの成長をサポートしています。Monicaブログでは、チームについて弊社が考えていることを定期的に発信していこうと思います。初回はチームの成長を目指す上でMonicaが大切にしている、チームメンテナンスという考え方について説明してみましょう。

チームメンテナンスは、普段から意識せずやっている

まずチームメンテナンスという言葉、皆さん聞いたことがあるでしょうか。チームメンテナンスとは、名前からイメージされるように、チームが力を発揮するために、各種のメンテナンスをすることです。たとえばわかりやすいのは、チームメンバーと飲みにいくこと。他にも、メンバーの相談に乗ることや、今後のキャリアについて話し合うこと、職場の冷暖房や音などの環境を整えることも、チームメンテナンスに含まれます。

「上司の仕事は部下が力を発揮する環境を整えることだ」という考え方がありますが、チームメンテナンスとはまさにそれ。一般的にチームはパフォーマンスを上げるために結成されるものですが、メンテナンス機能をしっかり持ってこそ、チームは全体として力を発揮することができます。

今のチームに、メンテナンスは足りているのでしょうか

パフォーマンスという言葉はよく聞きますが、メンテナンスという言葉は、なかなか出てこない職場が多いのではないでしょうか。私たちの職場環境はこの数十年で大きく変わっています。仕事は増々複雑化し、それに従事するメンバーも多様な構成になりました。多様な背景をもつメンバーは仕事に求めることが異なるのが当たり前です。お互いに仕事に何を求めているのか、どの部分で力を発揮するのか、そのようなことをメンバーで話し合う必要があるのですが、多くのチームではそのような時間をとれていないのが現状でしょう。

多くのチームでは日々仕事に追われ、一人ひとりの気持ちはあまり考慮されず、とにかく仕事をこなすことが主眼に置かれているのではないでしょうか。

それによる弊害は皆様もご存知の通りで、人の気持を考慮しないパフォーマンス主義はチームを疲弊させます。最近は働き方改革という言葉も広がってきましたが、残業削減や業務効率化などの仕組みの改革に加え、メンバーの気持ちを共有したり、仕事に対する思いを聞いたりと、チームメンテナンスをすることも重要なのです。

PM理論を知ろう

チームメンテナンスを考える上で、知っておきたい理論にPM理論というものがあります。PM理論は日本の社会心理学者の三隅二不二によって、1950年代から研究が進められ、1966年に提唱されたリーダーシップに関する理論です。PM理論では、その名前の示す通り、Performance FunctionとMaintenance Functionの2軸でリーダーシップを捉えます。

PM理論の基本概念

Performanceはチームの目標達成に繋がる行動を指します。例えば、部下に対して仕事に必要な知識を伝えたり、計画や内容を伝える行動がそれにあたります。Maintenanceはチームの集団維持に繋がる行動を指します。例えば、部下の気持ちを聞いたり、気軽に話し合う場をつくる行動がそれにあたります。ちなみにオハイオ州立大学やハーバード大学など、アメリカの各研究機関で同時期に進められていたリーダーシップ行動の測定尺度に関する研究でも、ほぼ同様の尺度が見出されています(Stogdill & Coons 1957, Bales 1953など)。

PM理論ではパフォーマンス、メンテナンスがどれだけ出来ているかで、リーダーシップを4つの領域に分割しています。

  • 1:pm:パフォーマンスもメンテナンスも出来ていない放任型。成果が出ず、ギスギスしていたり、まとまりがない。
  • 2:Pm:パフォーマンスは出来ているが、メンテナンスが出来ていない専制型。成果は出ているが、ギスギスしていたり、まとまりがない。
  • 3:pM:メンテナンスは出来ているが、パフォーマンスが出来ていない人情型。人間関係は良好だが、結果に結びついていない。
  • 4:PM:パフォーマンスもメンテナンスも出来ている理想型。チームは目標を達成し、チームメンバーの関係性も良い。

これまでの研究によると、チームに最も良い影響がでるのはPMタイプのリーダーであり、続いてpMタイプ、Pmタイプ、最後にpmタイプとなることが報告されています。ここで考えたいことは、PmタイプよりpMタイプの方がよいリーダーシップを発揮していることです。PとM双方が発揮されることが一番理想的なことはわかりますが、正確な表現ではないですがPとMを分割した場合は、Mの方がチームにより良い影響を与えているというのです。

PM理論のように、リーダーの行動に着目したリーダーシップ理論を行動理論(行動論)と言います。行動理論には限界もありますが、1940年代まで主流だったリーダーシップ特性論を打破し、個人の特性ではなく適切な行動によってチームを導きうることを示したのは大きなことで、今でもよく参照されています。PM理論を皆さんの経験に当てはめると、どう感じるでしょうか。上手くチームづくりができているリーダーと、なかなか上手くいかないリーダーでは、チームに対する向き合い方がどう異なっているのでしょうか。

ダニエル・キムの成功循環モデル

もうひとつ抑えておきたい考え方は、MITの元教授であるダニエル・キムの成功循環モデルです。成功循環モデルとは次の図で表される考え方で、組織が結果を出すようになるまでのステップをモデル化したものです。

ダニエル・キムの成功循環モデル

成功循環モデルによると、結果を出す組織は関係性の質を高めることから始まるといいます。組織の関係性が良くなると、次に思考の質が良くなります。思考の質が良くなると、次は行動の質がよくなります。そして行動の質が良くなると、最後に結果の質が良くなるのです。成功循環モデルではこの様なサイクルのことをグッドサイクルと呼びます。

一方、グッドサイクルとは逆のバッドサイクルというものも存在します。バッドサイクルは最初から結果を求めるサイクルです。最初から結果にフォーカスすると、組織はギスギスし始め、関係性が悪くなります。すると思考の質も悪くなり、行動の質も悪くなります。結果として更に結果の質は悪くなってしまい、負のサイクルが始まるというのです。

成功循環モデルは、組織として働く一人ひとりの関係性の大切さを表しています。関係性を高めることは、PM理論で言うところのメンテナンスをしっかりするということです。チームメンテナンスを疎かにせず、関係の質を高めることを怠らない組織が、グッドサイクルを回せる組織になるのです。

Monicaはチームメンテナンスをするために作られた

ここで気になるのは、チームメンテナンスの具体的手法でしょう。

冒頭でチームメンテナンスとは、チームメンバーが力を発揮するための環境を整える行為であると説明しましたが、メンバーが力を発揮するための環境とはどのようなもので、どう整えれば良いのでしょうか。Monicaは、このような問いから生まれたサービスです。私たちは数年に渡り、チームメンテナンスにはどのような要素が必要で、具体的にどのような手法が適切であるかを探求してきました。

様々な試行錯誤を経た結果、1つの解としてたどり着いたものはシンプルなルールに従って短い対話を重ねるという手法でした。Monicaでも採用されている、10個の問いにYES/NOで答えていくシンプルなルールで、週1回30分のゲーム形式の対話を続けることで、チームを適切にメンテナンスしていくことができます。

私たちは実際にMonicaを使って毎週ミーティングをしていますが、やればやるほどにお互いの新しい側面に気づいたり、今考えていることや感じていることを共有することができています。その結果、相互理解や安心安全の文化を醸成することができ、お互いの苦手なことをサポートしたり、強みを生かし合う関係性が高いレベルで維持できていると感じています。

自社以外でも実践事例は増加中ですので、このブログでも事例発表させてもらおうと思います。

リーダーの方にこそ、チームメンテナンスを学んでもらいたい

以上、PM理論と成功循環モデルを引用しながらチームメンテナンスの大切さを説明し、Monicaはその具体的な手法として開発されたサービスであるということを紹介してきました。

チームメンテナンスは、働き方が変わるこれからの時代、チームで結果を出すための必須スキルになると考えます。おそらくチームメンテナンスがどれだけ適切になされているか、それでチームの成果は大きく変わっていくことでしょう。定期的にチームをメンテナンスし、チームの関係性をマネジメントすることはこれからのチームの、特にチームリーダーを務めている方にとっては大きな課題になることだと思います。

チームの文化はリーダーが決めるものです。リーダーがチームメンテナンスにどれだけ理解を示し、実践することができるかが、成果を出すチームとそうでないチームの分かれ道になるでしょう。リーダーの方は、ぜひ積極的にチームメンテナンスについて学び、実践をしてください。

メンテナンスが上手く行き関係性がよくなったチームは、思考が変わり、行動が変わり、結果として中長期的に大きな成果を出すチームになるでしょう。

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